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稲城大橋動物病院長ブログ|稲城大橋動物病院

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フィラリア予防は最後が大事

このところすっかり冬めいてきて、日が落ちると気温がかなり下がっています。
春から始めていただいているフィラリア予防ですが、お薬をお出しするときにご説明しているように、必ず今月下旬(20日以降)または、来月上旬に最後の投薬をしてください。

毎年のようにお話ししていますが、フィラリア予防薬は厳密には"フィラリア駆虫薬"です。
投薬後1ヶ月間お薬が効いている訳ではなく、投薬前に体に侵入したかもしれないフィラリアの幼虫を駆除するものです。

動物の体の中に侵入したフィラリアの幼虫は、およそ1.5ヶ月から2ヶ月で駆虫薬に抵抗できるまでに成長します。そうなる前に毎月薬を飲ませてもらってフィラリア症を予防することができます。
今年の気温から割り出したフィラリア感染期間は病院のある稲城周辺だと10月30日ごろまでと考えられます。
したがって、例年通り今年のフィラリア予防薬の投薬期間は感染可能期間の1ヶ月程度後の11月下旬以降となります。

万一、最後の投薬を怠るとそれ以前に動物の体の中に侵入したフィラリア幼虫は約半年間、ぬくぬくと成長を続けられることになります。最終的には心臓と肺の間の血管に到達してしまいます。

そうならないためにも、確実に最後の投薬をしてください

セミナー&セミナー

今の時期は各地でいろいろと勉強会やセミナーが開催されています。
私も臨時休診を頂いたり、診察時間を変更したりして参加させていただいています。
(一部の方にはご不便・ご迷惑をおかけすることになるかもしれませんがご理解ください。)

先日の日曜日は都内の東京ミッドタウンで開催されたセミナーに出席してきました。
富士フィルムメディカル主催のため、富士フィルム本社ビルのあるミッドタウンでの開催でした。

ミッドタウンには初めて行きましたが、あの辺りは日曜日は比較的人通りも少ないようです。
内容は、呼吸困難と咳に的を絞っての診断アプローチ法です。どちらかというと基本的な内容でしたが、日頃の自分のやり方を再確認するいい機会でした。

昨日、火曜日は2回目の眼科学セミナーでした。今回は柴犬によく見られる眼科疾患ということで、主に緑内障についての内容でした。

以前の日記でも書いたように、眼圧測定の重要性を今回も指摘されていました。
また、今年の春から日本でも入手可能になった点眼薬(主に緑内障の予防に有効)を教えていただきました。新製品のため、やや価格が高いのが欠点です。
が、緑内障という病気は片方の眼に発症すると1年以内に反対側の眼にも90%以上の確率で症状が出てくるといわれているため、予防と早期発見がとても重要になります。
そういう点でも、点眼薬の薬理作用はもちろん、毎日の点眼により飼い主さんが動物の眼を観察する利点もあります。

柴犬、コッカースパニエル、シーズー、ビーグルなどは日本では緑内障の発生が多いと言われています。これらの犬種でいつも充血しているとか、よく"結膜炎"と言われているなどということがあれば、一度は眼圧測定をお薦めします。結膜炎と思っていたら実は緑内障だった、というケースもたまに遭遇します。

"アイ(eye)チェック"はいつでも行えますのでお気軽にご相談下さい。

10/1より、アニコム損害保険の通院・入院の日数限度がなくなりました。
また、これまで一律50%だった支払割合が、90%、70%からもお選び頂けるようになります。
(その分掛け金が変わります)

アニコムさんは、ペット用保険を日本で初めて普及させた会社です。以前にもペット用の保険は存在していましたが、なかなか普及しませんでした。

それでも現在日本ではペット用保険の普及率は2%にも満たない状況です。
保険という制度の仕組みを考えれば、普及率が高くなるほど掛け金が下がり、加入するメリットが出てきます。
ペット用保険の歴史の長いイギリスでは20%を超えているそうです。

今までのように日数制限=保険が使える回数制限がなくなることで加入される方にとっては保険を使いやすくなるというメリット出てくると思います。

今までは、通院による治療の精算時に、
「今回は保険をお使いになりますか?」
と聞いていましたが、日数制限がなくなることでこのやりとりは基本的になくなり、保険加入者の方は原則として対象疾病に関しては保険を利用することができる様になります。

今後、日本でもペット保険が普及して加入することが当たり前になるといいなと思います。

熱中症注意報!

いよいよ梅雨があけて、夏本番です。
東京近辺は今週一週間は連日の真夏日が続くと予報が出ています。

これだけ急激に気温が上がってくると心配なのは熱中症です。

人と違い、全身に通常の汗をかけない犬や猫は主に呼吸によって体温調節をしています。
猫は元々が砂漠地帯など気温が高く乾燥した地域で暮らしていたため、体内脂肪が多く、そこに水分をためこむため、比較的脱水には強く、熱中症にはかかりにくい生き物です。
(それでもあまりに暑い環境におかれるともちろん危険があります)

対して、犬は非常に暑さに弱いといえます。
特に日本の夏のように高温多湿の環境は注意が必要です。

以前こちらにも書かせていただいていますが、体温が上がりすぎてしまうと熱中症の危険があります。

熱中症の疑いがあると感じられたら、まずは口からの水分補給をしてあげてください。
それに加えて、ぬれタオルを体にかけたり、可能なら常温(15度前後)程度の水を全身にかけて気化熱により体温を下げるように工夫してみてください。脇や内股あたりの太い血管が通っている部分に小さな保冷剤を当ててみるのもよいでしょう。
ただし、慌てて冷たい水を使うことは逆効果になります。冷水を体表にかけると体表近くの血管が収縮してしまい、かえって体温の低下が遅れてしまうためです。

これで呼吸が落ち着いてくれば大丈夫ですが、ぐったりしていたり、呼吸が変わらないようならすぐに病院を受診してください。真の熱中症では、適切な対応が遅れると後遺症が出たり、場合によっては命を落としかねません。

夏場の散歩時間には特に注意してあげてください。

手段と目的

4月から新しく看護師2名が病院に仲間入りします。
すでに何度か実習という形で来てもらっていますが、私が必ず指導することがあります。

初めは動物の看護といってもまだまだ経験も知識もなく任せることはできないため掃除や雑用といった仕事が主になるのですが、掃除をしているときに必ずこういうことを話します。

「モップをかけたり、掃除機をかけることが掃除の目的ではないよ。きれいにするための手段としてモップや掃除機を使っているんだから、そこを勘違いしてはいけないよ。」

おわかりいただけるでしょうか。

黙って掃除の仕方を見ていると、モップをかけることが目的になっていたり、掃除機をかけることが目的になっていることがほとんどです。きれいにすることが目的であることを忘れているので、モップで拭いても落ちない汚れはそのまま、掃除機をかけたところにゴミが落ちていても気づかず?です。これでは本末転倒ですね。

手段と目的を混同しないこと

たかが掃除、されど掃除です。
この気持ちの持ち方はとても大事なことだと私は考えています。
動物に関わる仕事をしてく上で、この部分をなおざりにすることがあってはいけません。

私たちの仕事は普通は動物の病気を治すことですが、時にはそうでないケースが起こります。
実は病気を治すことは手段であって本当の目的ではありません。
本当の目的は、動物と飼い主が幸せに暮らすこと、です。
その手段として病気を治すとか、予防をするとかが存在するのだと思います。
もちろん、多くの場合は病気を治すこと=幸せに暮らすことが成り立ちます。
しかし、時にはそうでないケースが生じます。そのときに何が何でも入院して治療することは,誰を幸せにするのでしょうか?

私自身はいつもこのことを忘れないように動物とその飼い主さんに接するよう気をつけています。

初めて社会人として働き始める2人には、いろいろ覚えることもあって大変ですが、このことだけは忘れず仕事をしていってもらいたいものです。