慢性疾患の早期発見のために・・・
犬・猫の3大疾患がなにか、ご存知ですか?
「心臓病」「腎臓病」「悪性腫瘍」です。
一部の腫瘍を除きこれらの病気に共通するのは「慢性疾患」であるということです。
今回は「心臓病」「腎臓病」について書きたいと思います。
慢性疾患とは、さまざまな治療を行っても完全に治ることがなく、病気は徐々に進行していくという性質のものです。
最近では、高品質のペットフードや動物に対する医療の発展、飼い主さんの意識向上などもありペットの寿命が延びています。これに伴い、人間と同じような慢性疾患にかかる動物自体も増加していると言えます。
慢性疾患の厄介なところは、病気の初期にはほとんど表立った症状を表さないことです。逆に言えば、症状が出始めた頃にはある程度まで進行している場合が多いということになります。
腎臓病の場合、血液検査で異常が出るのは腎機能の75%以上が障害を受けてからといわれています。尿検査ではもう少し早く60%程度の障害を受けると尿比重という項目に異常値が出てきます。(おしっこの成分が薄くなり水に近くなります)
腎機能が低下すると多くの場合、「よく水を飲む」という症状を伴うことが多いです。
心臓病の場合は血液や尿検査などではなかなか判断できません。心雑音といって血液の逆流を伴う心臓病の場合には聴診により雑音を発見するのが一番です。
「疲れやすい」とか「運動後に咳をする」などの症状が表れるようになると中程度に進行していることが多いようです。
さらにレントゲンや超音波検査で異常の程度を調べることができます。
これらの慢性病を早期発見する最良の方法は、日ごろの飼い主さんの観察と定期的な検診が重要です。
年に数回でも定期的に検診を受けていただいたり、簡単な尿検査や、犬なら春のフィラリア予防時に血液生化学検査をすることでそれほど動物に負担をかけることなく検査する事ができます。
慢性疾患は早期に発見できればできるほど進行を遅らせることが可能です。