湿潤治療
当院の症例が獣医師の専門雑誌に紹介されました。
ダックスなどで時々遭遇する「無菌性結節性脂肪織炎」を内服薬と湿潤治療によって治療した一例です。
[引用:「クリニックノート」№66(インターズー発刊)記事を読むにはCN66_P44.pdf]
知り合いの先生からの紹介で、当初とは記事の内容が変わりましたが、紹介していただいた先生や当院でも行っている湿潤治療についての一例を紹介させていただく機会を頂きました。
このような傷を外科的に治療しようとすると大変困難ですが、湿潤治療を行えば早期に痛みや不快感から解放してあげることができ、麻酔などの負担もなく治療することが可能です。
湿潤治療は、最近ではかなり知られるようになってきましたが、これまでの消毒とガーゼなどを用いる方法と対照的に、傷を乾かさない・消毒をしないことで治癒を促進するやり方です。
広範囲な傷や、外科的に修復することが困難な場所、麻酔をかけることが困難な動物などでは特に有効な治療法です。
この治療法の原理を知り、実践するようになって動物達はもちろん自分たちが傷を作ったときにも、早く痛みが取れきれいに治すことが出来るようになりました。
2000年に上京して研修医からスタートしたときは、動物の保定(動きを抑制する)に入ることから始まり毎日生傷が絶えませんでした。当時は湿潤治療の知識がなく、今もその頃に受けた傷跡がいくつか残っています。
この治療法を知ってからは、同じように傷を負ってもほとんど目立たず、かつ早く傷を治せるようになりました。
通常の傷や火傷などには特にこの治療法が向いています。
この第一人者であるお医者さんが書かれた一般向けの書籍が待合室に置いてありますので、興味のある方は待ち時間にでもご覧ください。