猫の犬歯破折(はせつ)
1年以上振りの更新になってしまいました。m(_ _)m
「ネットで検索をしてブログを見ました」
と、うちで紹介させて頂いているのと同じような病気などでお困りの飼い主さんからのお問い合わせをいただくことも多いため、気持ちを入れ替えてブログの更新を頑張っていこうと思います。
今回、ご紹介するのは、
「猫の犬歯破折」
です。
“破折=はせつ“というのは、歯が折れてしまった状態を指す言葉です。
これまでにも犬の症例で何度か書かせていただきました。
今回は猫ちゃんです。
4歳になったばかりの子で飼い主さんが歯が折れていると気づいて連れて来られました。
お話を聞くとどうやら同居猫とよくじゃれあっていることがあり、何かの拍子に犬歯が折れてしまったと思われました。
麻酔をかけてよく観察すると、犬歯の先が折れています。先がなくなっているのと縦にも割れてしまっています。
こうなると”露髄=ろずい“という状態になり、神経や血管がむき出しになるため感染を起こして、歯周病になってしまいます。
ここまで割れてしまっていると抜歯する以外にありません。
歯肉(はぐき)を剥がして歯が嵌っている骨の部分を露出します。
この後、骨を一部削って歯を抜きます。
抜歯した後の骨の鋭利な部分を更に削って滑らかにしてから、はじめに剥がした歯肉を使ってぽっかり空いた穴を塞ぐように縫い合わせます。
髪の毛程度の細い溶ける糸で縫い合わせているので抜糸は不要です。
今回の飼い主さんはすぐに気づいて連れてきてくれ、手術にもご理解を頂いたためスムーズな治療ができました。
しかし、歯が折れてもすぐに不都合が出てくることはあまりないため意外と放置されている例も多いと感じています。
歯茎が腫れてしまって、痛くなってから連れてこられるケースが多いかもしれません。
麻酔をかけるリスクがなければ、やはりはやいうちに抜歯してあげるのがお勧めです。