体温計

診察室で使う道具で、もっとも使用頻度が高いものといえば、聴診器と体温計です。
今回はその体温計のご紹介。
DSCF5610.jpg
一見、特に変哲のないデジタル体温計です。
しかし、実はこれ、動物専用のデジタル体温計です。
今時、ドラッグストアにいけば人用の体温計なら数百円で購入できますが、これはなんと2千円以上(三千円に近いかも・・・)します。
なぜわざわざそんな高いものを使っているか?
デジタルの短時間で測れる体温計というのは短時間の温度変化をコンピューターで予測して、その体温を表示しています。
いわゆる平熱が2度以上も異なる犬や猫で、人用の予測プログラムが組み込まれた体温計を使っての予測では不正確になってしまいます。
実はこのことは、ある腫瘍専門医の先生の講義で教わりました。
腫瘍治療中は副作用の早期発見のために、家庭での体温測定が非常に大事なのですが、そのときにこれをお薦めしているそうです。
その話を聞いて1年半ほど前から使用しています。
使い捨てのプローブカバー(写真下側)を用いることで違う個体にも気持ちよく清潔に使えます。
平熱の子ならわずか10秒ほどで測定完了です。
ちょっとしたこだわり道具のご紹介でした。