フィラリア症予防薬の投薬
飼い主様からのリクエストがありましたので、年末ですがフィラリア症予防薬の投薬について書きます。
このホームページを作った頃にも、この記事やこの記事でフィラリア症予防薬について書いていました。
しかし、ここのブログは古い記事を読むのがやりづらいのです。
そんなわけで、特に最後の投薬時期について書いてみます。
ご存知のように、フィラリア症というのは蚊によって媒介される寄生虫感染による病気です。
そのため、蚊が飛ぶようになる春の終わりごろから蚊を見なくなり気温が下がる秋の終わりから冬の初め頃まで予防薬の投薬が必要です。
諸説ありますが、蚊が存在すること以外に外気温も感染の成立に関係していると言われています。
以前のブログ記事中では、
「5月末ごろから11月末または12月初旬まで」
の期間をお薦めしていましたが、ここ10年ほどで気温の高い期間が長くなりつつあり、また、下水施設(=比較的高温で多湿な環境が形成されている空間)の充実などの要因から感染が成立すると思われる期間が長くなってきました。
今年、当院から予防薬をお出しする際には、
「5月上旬から中旬ごろには開始して、気候によっては12月初旬から中旬あたりに最後の投薬」
をお薦めしています。
したがって、以前は7回の投薬でOKだったところが、8回、場合によっては9回の投薬をして頂く必要があります。
今年の秋から冬への気温の変化を見ている感じでは、12月初旬の投薬でも大丈夫かな〜とは思いますが、お住いの周辺の環境によってはプラス1回分の投薬をしていただいた方がいい場合もあります。
今年から本格的に採用した、オールインワンタイプの予防薬(フィラリア症、ノミ予防、マダニ予防が一つでできる製品)なら引き続き投薬していただく感じです。
ノミ、マダニ予防に関しては、1月と2月の上旬は寄生リスクは低いと思いますが、「小春日和」と言われるような晩冬の暖かい日にはノミの感染は成立する可能性があるため、10〜11ヶ月間の予防をお薦めしています。
ちょっと長めの記事になってしまいました。